メモ…中沢新一

 中沢 この前京都の相国寺で仏教について講演したら、 イスラームの服装をした女性が聞きに来ていました。 僕はそのとき、神仏習合の可能性の中でしか仏教というのは二十一世紀は生きないんじゃないかという話をしたんですね。 一神教はどうやって発生してくるかっていう問題について、 ユダヤ教キリスト教のラインとは違う一神教があるんだ、 それはどうもイスラーム神道みたいなものの中に通底している、 ある共通の地盤にたどり着く、っていうことを話した。 すると終わってから、 そのイスラームの姿をした女性が話しかけてきました。
 鎌田 どこの国の人?
 中沢 日本人ですよ。 彼女はもともとクリスチャンだったそうですが、自分の中の日本人がキリスト教に反発し続けていたんだけど、 イスラーム一神教に出合ったときにはそういうものを全く感じなかった。 すっと入っていけた。 その理由を、 僕の話を聞いて納得しました、と言うのです。 その一神教というのは日本でいう神道だし、 チベットだったらボン教、 中国だったら道教、 オーストラリア・アボリジニだったらドリームタイムというものだし、 ネイティブアメリカンだったらグレートスピリット。 そういうものから潜在的に、 共通磁場の中から発生してくるある種の一神教というものです。 そういう土台を持った霊性ユダヤ的な一神教が出会ったときにイスラームが形成された。


21世紀の宗教と文明の課題 上
「贈与」と「超越」論の可能性
http://www.chugainippoh.co.jp/NEWWEB/n-taidan/taidan1.htm

ほとんどの宗教には一神教に向かおうとする力が働いている。
日本人の宗教である神道も、実は多神教的なものと一神教的なものが混在したものです。…神はたくさんいますが、そのなかでもっとも偉大な『天照大神』がいます。
アメリカ先住民もそうです…『グレートスピリット』
上の引用によると、よりイスラム教的な考え方を、日本人は一神教であるキリスト教を信仰する人よりもより理解できる可能性があるといえるのではないでしょうか…。

一神教多神教―― 新たな文明の対話を目指して
http://www.cismor.jp/jp/research/lectures/041030.html

やはり中沢新一さんの話は面白い。